感想-コミック「鉄子の旅」
友人に薦められて読んでみました。感想は、うーんテツ(鉄道好き人間の総称)の紹介にはなっていても、それを哂う話にしか表面的には見えません(笑)。新聞などの書評に書いてあったとおりですけど...。全体的な描写は女性の目からになっているせいか、非常に細かく繊細(かつ大胆?)。が、それも行き過ぎて、テツの紹介というより、主人公であり監修者でもある「横見浩彦さん」の観察記になっている回も多いような。この内容で、よくここまで続きますよね、とは思います(笑)。
まぁ、dikもご多分に漏れずテツの血は(多少は)ありますので、「ああここ行ったな」「ここ行ってみたかっただよなぁ」「聞いたことあるけどいつかは行ってみたいなぁ」とそれぞれの回で思うところがあり、そこが面白かったです(テツに受けているとしたらこういう部分でしょうか?)。あと作者の菊池直恵さんの線が緻密で綺麗で、非常にdik好み(線の細やかさは藤島康介さん...というよりその師匠?の江川達也さんに似ているような...)で、更に構図も大胆な部分もありながら不自然な感じが全くしなかったので、詰まることなく現在出ている5巻を読み切ってしまいました。
が、やはりdikは「横見さん」の趣味とはかなり相容れないと思います。自分は「トリテツ(写真を撮るのが趣味?)」でもない(横見さんによると「トリテツ」と「ノリテツ」(列車に乗ることが趣味?)に大きく分かれるそうです)ですが、どちらかというと鉄道を交通手段と捉える方ですね。交通手段の「制約」の中でどれだけその移動を「楽し」めるのか(具体的には、快適な車内設備や、車窓とか、スピードとか)に興味のポイントがあります。大体、折角降りた駅の近くにいい観光地があるのに寄らないなんて自分の主義とは完全に相反します(笑)。古い駅を見るのもいいですけど、それだったら多分クルマで行って写真だけ撮って次に行っちゃいそうな感じ...。え、テツ失格(笑)?